知っているようで知らない?排水処理装置の目的とは
排水処理装置という言葉を聞いてもピンとこない方のほうが多いのではないでしょうか。そもそも、排水処理装置とはどのような装置のことを指し、どのような目的のために必要なのでしょうか。
まず、排水処理装置というのは工場から排出される水を再び河川や海に戻す際に水の中に含まれている不純物を取り除くために利用されています。水は無色透明であっても何かが混入しています。
これらは、夾雑物(ゴミ、埃、粘土質、砂鉄など)、水生生物(細菌、微生物など)、有機物質(藻類や樹木が微生物の働きで分解されたものや有機洗剤が自然界へ流出したものなど)、無機塩類(カルシウムといった硬度成分、塩分、溶解鉄など)、気体(二酸化炭素、酸素、硫化水素など)などに大きく分けられます。
これらの不純物を取り除き、汚染の程度、放流先の基準に合わせ浄化処理を行い、然環境への負荷を少なくして放流する必要があります。
例えば、排水が透き通った水であっても、水質基準値を満たしていなければ放流することはできません。逆に、多少の濁り色であっても、排水基準数値を満たせば排水放流できるのです。
排水処理装置にはさまざまな種類があり、それぞれに特徴があります。例えば、建設・土木排水、各種工場排水に使用できる多目的排水処理装置や、重金属含有排水
に活躍するものが挙げられます。サイズもさまざまで、近年はコンパクト設計のものも少なくありません。従来のコンクリート水槽の高さ約5メートルに対して、タワータンクによる10メートルの高さを活かすとともに、薬注機器やポンプなどをコンパクトにユニット化したものもあります。
これにより、排水処理装置の設置面積を、従来と比べて大幅に削減することができます。目的や設置場所などに合わせてさまざまな種類を誇る排水処理装置。除去できる不純物をはじめ、異なる機能を持った排水処理装置を駆使することで、私たちは日々不純物のない水を循環させることができます。